第5回 「壁」
住まいのお手入れコラム第5回は、壁についてです。
●クロス・ビニルクロス貼り壁
どちらも洋室の壁装材として一般的なものであり、時代の要求とともに、人体に影響を及ぼす化学物質の発生が少ない織物(クロス)、ビニルクロスが開発されています。
また、防火性能の強化、汚れ防止や防水、防カビ加工などの様々な機能を持ったものもあります。
・予想される損傷
カビ、はがれ、汚れ
・日頃の心掛け
<織物(クロス)>
普段は表面の汚れをはたき、掃除機などでむらなく掃除します。普段から汚さないように心掛け、市販の防水スプレーを散布するなど工夫することも一案です。
<ビニルクロス>
普段は表面の汚れをはたき、掃除機などでむらなく掃除します。ビニルクロスは水拭きができ、汚れが比較的簡単に落とすことができますが、貼りあわせた部分に水が入るとはがれの原因になりますので、水拭きはかた絞りの雑巾で注意して行います。
・点検と補修
織物であるクロスは、継ぎ目部分がほつれることがあります。このような場合には、目打ちの先などで少しずつ捨て糊をして固めます。
ビニルクロスがはがれた時は、下地の汚れを取り除き、酢酸ビニル系接着剤を水で薄めたもので簡単に貼ることができます。
全体的に汚れが目立ってきた時や、部屋の雰囲気を一新したい時はクロスの貼り替えが効果的です。材料も市販のものが豊富に用意されていますので、素人でも手軽に行えますが、下地に古い裏紙が残っていたり、不陸のある場合には調整が必要になります。また、継目の模様あわせなど、美しく仕上げる自身がなければ専門の業者に依頼した方がよいでしょう。
なお、台所などの火気使用室の内装材料は法令により一定の防火性能が要求されます。これらの部屋のクロス等の貼り替えの際は、材料店などにご相談ください。
・掃除方法
<織物(クロス)>
少々の汚れは消しゴムや食パンでこすると落とせます。手あかなどがついた時は、住宅用洗剤を薄めたぬるま湯を布に含ませ、上から叩くように拭き取り、表面を傷めないよう注意しながら仕上げに乾いた布で拭きます。水拭きは汚れが染み込んでしまうことがあるので気を付けましょう。
<ビニルクロス>
手あかなど落ちにくい汚れには、住宅用洗剤を薄めたぬるま湯を含ませた布でたわしをくるみ、軽くこすって汚れを拭き取った後、真水でかた絞りした雑巾で拭きましょう。カビの除去には市販のカビ取り剤が便利です。
●板張り壁・化粧合板板張り壁など
化粧合板は、普通合板の表面に加工を施して木目調などの化粧をしたもので、プリント合板とも呼ばれています。
・予想される損傷
浮き、はがれ、変色、汚れ、割れ
・日常の心掛け
化粧合板などには、極力直射日光をあてないようにしましょう。表面材の変色やはがれの原因となります。
また、化粧合板などにはシールやテープを貼ることは極力避けましょう。これらをはがす際に表面材も一緒にはがれたり、浮いたりして、はがした後が汚く残ってしまいます。
普段は柔らかい布でから拭きするか、科学雑巾で汚れを落としましょう。
・点検と補修
表面材のはがれは、酢酸ビニル系接着剤を水で薄めたもので簡単に貼ることができます。また、表面材に空気をはらんんだ浮き(シールなどをはがす際に表面が引っ張られて部分的にはがれたもの)の応急処置として、小さい範囲は浮きの中央にカッターで切り込みを入れ、接着剤を注入して、空気を抜きながら外側から中央に向かって貼り付けます。範囲が大きい場合や割れを伴う場合、変色が気になる場合は張替えをおすすめします。専門の業者に依頼しましょう。
・掃除方法
汚れが目立つときには、住宅用洗剤を薄めたぬるま湯で拭き取り、真水のかた絞り雑巾で拭きます。この際、化粧合板などは力を入れすぎると表面のプリントを損傷することがあるので注意しましょう。
※化粧石膏ボードには、石膏ボードの表面にあらかじめ化粧加工した紙を用いたものや、化粧加工した紙やプラスチックのシートなどを張り合わせたもの、塗装、型押し凹凸などで加工したものがあります。耐水性の低いものは水拭きできませんので、あらかじめ設計者などに材料の性質を確認しておきましょう。
●繊維壁・砂壁
繊維壁は繊維やパルプを使って綿のようにソフトに仕上げた塗り材で、砂壁は色砂を糊で練ったものを表面仕上げに使用したものです。どちらも和室の内壁などに用いられる伝統的な材料で、ひび割れや汚れなどが目立たないのが特徴ですが、表面がデリケートなのでお手入れには十分な注意が必要です。
・予想される損傷
はがれ、よごれ
・日頃の心掛け
汚れを落とす確実な方法がないので、普段から汚さないように心掛けること、乾燥状態を保ち、カビ防止に心掛けることが必要です。
砂壁押さえ用スプレーなどが市販されていますので、これを利用するのも一案です。
・点検と補修
汚れ、はがれなどの破損がひどくなったら補修しましょう。繊維壁などの補修材は市販されていますが、同質の材料でない限り、既存のものをかき落として全面塗り替えることが必要です。部分的な補修は、かえってその部分を目立たせることになりますので注意しましょう。塗替えの際は専門の業者に依頼するのが適切です。
・掃除方法
普段の掃除は軽くはたき掛けをする程度にしましょう。
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