第11回 「排水設備」
住まいのお手入れコラム第11回は、排水設備についてです。
●排水管
住まいの敷地中の排水は、し尿などの汚水、台所や浴室などから出る雑排水、雨水の3つに大別されます。これらの処理方法も、公共下水道が完備された市街地などにおける直流方式と、各戸に浄化槽を対象とする合併処理のものがあります。ご自分の住まいがどの処理法法を取っているかを把握しておきましょう。
・予想される損傷
悪臭、つまり、水漏れ
・日頃の心掛け
配水管内に排水中の脂肪分などが付着することにより、排水の流れが妨げられます。また、ヘアピンなどの異物が入るとゴミや毛髪、糸くずなどがからみ、つまりの原因となります。日頃より、台所流台や浴室排水口まわりはきれいにしておきましょう。
・点検と補修
水まわり部の床下は水漏れするケースが多いので、給水管と共に定期的に床下点検することをおすすめします。 市販のパイプ洗浄剤を使用することは、脂肪分を落とすのにある程度有効です。ただし、パイプ洗浄剤は即効性や万能性のあるものではありません。
2〜3年に1回、高圧洗浄を実施されることをおすすめします。 排水管がつまった場合に、家庭で処理できる道具として吸水式ラバーカップやワイヤー式の掃除用具があります。これらを利用しても直らないつまりは専門の業者に依頼しましょう。
●トラップ
排水管にはトラップという、排水管内に水をためた部分により管内の臭気を遮断するしくみが採用されています。トラップにはその用途に応じていくつかの種類がありますが、住宅で一般に使用されているものは椀型トラップ、管トラップなどです。
・予想される損傷
悪臭、つまり、水漏れ
・日頃の心掛け
便所や浴室の床、洗濯機置き場の排水口など、水が流れる頻度が少ないと封水が蒸発し、悪臭の遮断ができなくなります。時々排水口に水を流し込み封水を確保しましょう。
・点検と補修
・椀型トラップ
浴室の排水口や洗濯機パンの排水口がこれに該当します。週に1度は、目皿から椀を取り外して掃除しましょう。
・管トラップ
洗面器、台所流し台などの排水パイプがこれに該当します。形状によりS型またはP型などがあります。専用の道具で、容易に分解、掃除ができます。
・管トラップの分解と掃除
洗面化粧台の下やキッチンシンクの下などのSトラップは、ナット締めが差込式になっています。水漏れの際には、まずナットをパイプレンチ等で締め直してください。締め直しても水漏れが止まらない場合は、下にバケツを受け、ナットをゆるめてパイプを外し、新しいパッキングと交換してください。ナットのネジ山が磨り減っている場合は、テープを巻いてナットを締め直してください
・排水マス
屋外排水の合流点、分岐点などに設けられ、一時的に排水を貯留し、流量の調整をするものです。 形式の種類としては、蓋に荷重相当の影響を考える場合は街きょます型、荷重相当の影響を考えない場合は集水ます型などがあります。
・予想される損傷
沈下、つまり、凍上(寒冷地の場合)、庭木の根の侵入
・日頃の心掛け
排水ますは、塀の設置、庭土の盛土、植木によるものや環境(地震、地盤凍結によるますの凍上、地盤沈下)などにより損傷が非常に多く発生しますので、日頃から注意することが大切です。
・点検と補修
・ためます
主に雨水(雨どい、庭などからの排水)処理に用いられます。底が泥だめになっており、底に土砂やゴミを沈澱させるしくみになっていますので、月に1度は排水溝とあわせてためますの清掃を行いましょう。
・トラップます
ためますにトラップの機能を与えたもので、台所などの排水処理に用いられます。月に1回はパイプの口とますの内部を清掃しましょう。
●浄化槽
浄化槽は、微生物の自然浄化力を巧みに利用して、汚水を分解浄化する装置です。従って、適切な維持管理を行わないと正常に機能しなくなり、放流水の水質を悪化させ、悪臭のみならず河川の汚濁につながり重要な問題となります。浄化槽には多くの処理法法や小スペースでも施行可能なコンパクト型があり、ここでは一般住宅において使用される家庭用合併処理浄化槽について説明します。
・予想される損傷
悪臭、汚水流出
・日頃の心掛け
家庭用合併処理浄化槽は、一般に嫌気性微生物と好気性微生物を利用して、汚水を処理するタイプのものが普及しています。特に好気性微生物を利用する接触ばっ気槽は、送風機によって、空気を送り込んでいますので、絶対に電源を切らないようにしてください。電源を切ってしまうと槽内の微生物が死滅し、機能が停止してしまいます。特に便器や風呂の掃除の際、塩酸などの劇薬や強力な洗浄剤などを使いますと、浄化槽内の微生物が死滅してしまいますので、絶対に使わないようにしてください。また、台所から出る調理くず、残飯、天ぷら油などは流さないようにしてください。
浄化槽上部のマンホールの蓋は、ずれたり外れたりすると大変危険ですので、きちんと閉めてロックを施してください。特にお子様にはお気をつけください。
消毒液は切れないように定期的に補給しましょう。
・点検と補修
浄化槽の使用者には、専門科による定期的な保守点検を行うことが、法律によって義務づけられています。一般的には、都道府県に登録された保守点検業者と浄化槽の維持管理契約をしていただくことになります。(有料)保守点検業者が分からない場合には、保健所または市町村清掃担当課へお問い合わせください。
また、この点検とは別に、年1、2回は汚泥引き抜きなど槽内の清掃をすることが必要です。この場合は、市町村の許可を受けた業者に依頼してください。(有料)
・ワンポイントアドバイス
浸水の恐れのある地域にお住まいの方へ「浸水したら…」
浄化槽内に雨水が入ると浄化槽の機能は損なわれます。また、送風機内に浸水したら壊れてしまいます。専門の業者に依頼し、清掃、点検あるいは修理・交換など、機能回復の措置を講ずることが必要です。
・注意
浄化槽は適切な利用管理を怠ると、機能低下による害虫発生や、浄化槽内への落下事故などに至るおそれがあります。
上記の記載事項をご注意いただくとともに、浄化槽の取扱説明書の指示に必ず従ってください。
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