第2回 「外壁の点検」
住まいのお手入れコラム第2回は、外壁の点検・補修についてです。サイディング壁(窯業系)、モルタル壁、タイル貼り壁、金属板・サイディング壁(金属系)、板貼り壁に各部名称、日頃の手入れ、点検補修についてご説明いたします。
●サイディング壁(窯業系)
乾式外壁材を総称してサイディングといい、使用材料によって窯業系、金属系、木質系などに分類されます。ここでは特に窯業系について述べます。いずれも継目に特殊な加工を施してあり、シーリング材を充填して雨仕舞されています。湿式工法より施工が工業化されているので、メンテナンスも容易です。
・予想される損傷
色あせ、色落ち、シーリングの劣化、汚れ、割れ
・日頃の心掛け
ほとんどが素材に何らかの加工を施したものなので、汚れた場合は素材を傷つけない程度の硬さのブラシやモップで水洗いします。
サイディングの継目のシーリング上層の吹付け仕上げ材には、材質上ひび割れが生じることがありますが、外壁の防水性能には影響ありません。
・点検と補修
<色あせ・色落ち>
モルタル壁と同様
再塗装の際には基材に十分なじむものを選ぶことが大切です。3〜4年ごとに点検をし、補修の際には専門の業者に依頼しましょう。
<割れ>
サイディングは破損した部分のみを切り取り、交換することができます。
<シーリングの劣化>
太陽光線や外気、雨水、温度変化により劣化しますので、2〜3年ごとに点検しましょう。劣化した箇所はへらなどで取り除き、あらたにシーリング材を充填することにより補修できますが、独自に補修を行うと、後に防水面で支障をきたすこともありうるので、専門の業者に依頼することをおすすめします。
●モルタル壁
モルタル壁は性質上、乾燥収縮によるひびがはいりやすく、これを完全に防止することは困難です。しかし、下層に耐水合板や防水シートなどの防水層があるので、ヘアクラック(髪の毛の太さぐらいまでの微細なひび割れ)程度であれば心配いりません。一般にモルタルを3回程度(下塗り、中塗り、上塗り)塗った上に、仕上げ材のタイルを貼ったり塗装を吹き付けたりします。
・予想される損傷
色あせ、色落ち、はがれ、汚れ、割れ
・日常の心掛け
雨水のはねあがりなどの汚れは、仕上げを損傷しない程度に柔らかいブラシなどで水洗いします。また、基礎のまわりにコンクリート製の平らな部分や砂利敷きなど、浸透性のある仕上げを施すことにより、これを防止することができます。
・点検と補修
<割れ>
大きな割れは、放置するとモルタルのはがれや割れをまねくなど、建物の耐久性を大きく害します。定期的(2〜3年ごと)に点検し、早めに補修しましょう。市販の充填材やコーキング材を注入する方法もありますが、専門の業者に依頼するのが適切です。
<色あせ・色落ち>
太陽光線や外気、雨水などにより吹付け仕上げ材の塗膜が痛み、色あせや色落ちを起こします。吹付け仕上げ材の対候性は、直接外気にさらされるトップコート(主材を保護して寿命を永くするために表面に塗る仕上げ塗料)の材質に左右されます。材質により耐用年数は異なりますが、通常、3〜5年で塗り替えます。これを怠ると、吹付け材のひび割れ、はがれや割れなどの損傷につながります。
塗り替える際は、専門の業者に依頼しましょう。
●タイル貼り壁
一般にモルタルを3回程度(下塗り、中塗り、上塗り)塗った上に仕上げ材のタイルを貼る湿式方法と、構造用合板の上に防水シートを張り、その上にタイルタイトパネルを取付け、タイルを一枚ずつパネルに引掛けて取付けた後、目地をモルタルで充填する乾式工法があります。
・予想される損傷
はがれ、汚れ、割れ
・日頃の心掛け
汚れた場合は素材を傷つけない程度の硬さのブラシやモップで水洗いします。乾式工法の場合は目地のモルタル部分にひび割れが生じることがあります。下地のタイルタイトパネルが雨水の浸入により腐食することがありますので、早めの補修を心掛けましょう。
・点検と補修
<割れ>
大きな割れは放置すると下地モルタルのはがれや割れをまねくなど、建物の耐久性を大きく害します。定期的(2〜3年ごと)に点検し、早めに補修しましょう。市販の充填材やコーキンフ材を注入する方法もありますが、専門の業者に依頼するのが適切です。
●金属板・サイディング壁(金属系)
防水性、経済性に優れ、デザインも豊富であり、外壁仕上げ材として多く用いられています。単体の金属板は、内部結露が生じやすいので冬季には注意が必要ですが、金属系サイディングは断熱性や遮音性を配慮した複合パネルがほとんどです。最近では無塗装や無地の安価なサイディングを使用して、モルタル壁で述べた吹付け塗装を仕上げに施し、壁の軽量化やコストダウンにつなげる工夫もされています。
・予想される損傷
さび、変形、ゆるみ、汚れ
・日頃の心掛け
吸湿性が低いので少々の汚れであれば手軽に水洗いして落とせます。この際、表面に傷などがつくとさびなどの原因となりますので注意しましょう
・点検と補修
<さび>
建設地域の状況により異なりますが、2〜3年ごとに点検し、劣化の度合いに応じて塗り替えましょう。(目安として3〜5年ごとに塗替え)表面が白っぽくなったり、ひび割れが生じないうちに塗り替えることが長持ちさせるコツです。
<変形>
サイディングは変形した部分のみを抜き取り、成型、交換することができます。
<ゆるみ>
金属板あるいは外壁本体の変形などにより、接合部のゆるみが起こります。放っておくと雨漏りの原因となりますので定期的に点検しましょう。
●板張り壁
板張り壁に用いられる主な材種は、ヒノキ、すぎ、ラワン、アピトンなどです。一般的にはワニス(ニスともいう)やオイルステイン、ペンキなどで仕上げられています。ワニスは透明に仕上げ、オイルステインは素地に着色料を吸収させて塗膜を作らずに材木の持ち味を生かす塗料です。工法としては「よろい下見板張り」(横張り)のほかに木材を縦に使う「たて羽目張り」があります。
・予想される損傷
色あせ、色落ち、すき間、反り、腐朽、割れ
・日頃の心がけ
乾式工法で水を使わず、耐水合板や防水シートを張った上に、仕上げ材を釘打ちや接着剤で貼り付けるという工程は、前に述べたサイディングと同様ですが、板張りは自然材質のため、天候、温度、湿度などの環境変化に左右されやすいものです。
雨でぬれた外壁には十分に日光が当たり過ぎないように、すだれや屋外パーティションなどで遮断するなど工夫をしましょう。
・点検と補修
<色あせ・色落ち>
オイルステインは木材にしみ込む性質があり、被膜が弱いため、日光や雨の当たる場所では色あせ・色落ちが早く起こります。塗替えは頻繁に行いましょう。
<腐朽>
板張り壁は雨水や湿気を受けることにより腐りやすくなりますので、常に乾燥状態を保てるように留意しましょう。
<反り・すき間>
乾燥収縮により板が反り、すき間があいたり、釘の浮きが生じることがあります。浮いた釘は点検の際に打ち込めば問題ありませんが、反りによって生じたすき間が大きいと、雨水の浸入につながり下地材を腐らせます。夏季は特に注意を要し、こまめな点検と早めの補修を心掛けましょう。
<割れ>
軽微なものはパテなどをつめて応急処置をします。大きな損傷は壁材の取替えが必要となりますので、専門の業者に依頼しましょう。
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