
建売とは、家と土地を同時に購入できる住宅スタイルをいいます。建築費用が抑えられ早めに入居ができるなど、さまざまなメリットが得られるのが特徴です。この記事では、建売住宅について解説します。分譲住宅との違いや建売住宅のメリットやデメリット、建売住宅で後悔しないためのポイントなどを知りたい方はぜひ参考にしてください。
建売とは?
住宅における建売とは、あらかじめ設計された家と土地をセットで購入できる住宅をいいます。
間取りや外観、設備仕様などは販売会社であらかじめ決められているのが特徴です。そのため注文住宅のように自由に設計することはできませんが、準備や手続き、購入がスムーズに進められるでしょう。
従来の建売住宅は、完成した状態で販売されることが一般的でした。しかし最近では、建築中や建築前の段階から販売が始まるケースも増えています。
すでに完成している建物であれば契約から1か月ほどで入居が可能なため、引っ越しまでのスケジュールが立てやすくなります。建築前の状態でも、数か月以内に引き渡しが可能です。
建売住宅は手軽にマイホームを手に入れたい方や、住み始めるまでの時間をできるだけ短縮したい方におすすめの選択肢といえるでしょう。
建売住宅と分譲住宅の違い
建売住宅と分譲住宅は、いずれも土地と家がセットで販売される点で共通しています。そのため見た目や購入方法に大きな違いはなく、混同されることも珍しくありません。ただし、販売形態に微妙な違いがあります。
分譲住宅とは、ひとつの広い土地をいくつかに分割し、それぞれに住宅を建てて販売するスタイルを指します。同じデザインや間取りの住宅が一体的に建てられるため、街並みに統一感があり整った印象を与えます。10区画程度の小さな開発から、数十区画の分譲地まで規模はさまざまです。
対して建売住宅は、すでに建物のプランが決まっていたり、完成済みの状態で販売されたりする住宅のことを指します。この建売住宅が分譲地内に建てられることも多く、実際には両者に明確な線引きがないのが現状です。そのため、用途や規模によって呼び分けられると捉えていいでしょう。
建売住宅と注文住宅の違い
建売住宅と注文住宅は、家づくりにかかる手間や自由度に違いがあります。
建売住宅は、土地と家がセットで販売されるスタイルをいいます。すぐに住める状態で販売されることが多く、引っ越しまでの期間も比較的短いのが特徴です。
対して注文住宅は、土地と家を別々に契約する必要があります。土地を持っていない場合は土地探しから始めなくてはならず、ハウスメーカーや建築士と相談しながら理想の家を1からプランニングしていきます。
注文住宅は設計から完成までに1年ほどかかるケースも多く、計画には時間と労力が必要です。
ただし建売住宅に比べて自由度が高く、間取りやデザイン、設備まで自分好みにカスタマイズができるのがメリットといえるでしょう。
「自分だけの住まい」を実現したい方には注文住宅が、手間をかけずにマイホームを手に入れたい方には建売住宅がおすすめです。
建売住宅のメリット
建売住宅の購入には、ほかの住宅スタイルに比べて建設費用が安く済ませられたり、早めに入居できたりするメリットがあります。ここでは、建売住宅の購入で得られるメリットについて詳しく解説します。
・土地と住宅がセットで購入できる
・建設費用が抑えられる
・確認後に購入するかを決められる
・早めに入居ができる
土地と住宅がセットで購入できる
建売住宅の魅力のひとつは、土地と住宅をまとめて購入できることです。
土地を探して住宅の設計や建築を進める必要のある注文住宅に対し、建売住宅はそのプロセスが一度に完結します。そのため手続きの手間が大幅に軽減され、購入から入居までの流れもスムーズに済ませられるのがメリットといえるでしょう。
とくに住まい探しに時間をかけられない方にとっては、非常に効率のいい選択肢です。土地を持っていない方にも、建売住宅はマイホームを手に入れるための現実的で便利な手段といえます。
建設費用が抑えられる
建売住宅の大きな魅力は、注文住宅に比べて費用が抑えられる点です。
建売住宅は、建物の設計や間取りがあらかじめ標準化されています。同じ仕様の住宅をまとめて建てることで資材を一括で仕入れられるため、コストを大幅に削減できます。
さらに複数棟を同時に建築することで、現場の人件費や工事効率が最適化されるのもコストが下げられる理由のひとつです。設計や仕様の打ち合わせが不要な分、営業や設計にかかる人件費も最小限に抑えられます。
また建売住宅は、電気や水道、ガスなどのライフラインの整備や外構工事があらかじめ済んでいる場合が多く、購入後に追加の工事費が発生することが少ないという特徴があります。建築にかかる全体的なコストが抑えられるため、購入者は手頃な価格でマイホームを手に入れることができます。
確認後に購入するかを決められる
住宅購入は大きな買い物のため、慎重に選びたいと考える方も多いでしょう。建売住宅は、完成した建物を実際に見てから購入を検討できるのが大きなメリットのひとつです。
建売住宅では、実物を見学することができます。間取りの広さや動線、日当たり、設備の仕様まで細かくチェック可能なため、自分のライフスタイルに合うかをしっかりと判断してから購入を決められます。
物件が完成する前に同じ仕様の家を見学することも可能で、モデルハウスで住まいの雰囲気や使い勝手を事前に体感できます。
インテリアの配置を参考にでき、窓からの眺めや周辺環境、遮音性なども自分の目で確かめられます。住んでからのギャップを最小限に抑えられるため、購入前に安心感が得られるでしょう。
早く入居できる
建売住宅は、すでに建物が完成しているものや建築プランがあらかじめ決まっているものを販売しているため、契約から入居までの流れがスムーズに進められるのがメリットです。
注文住宅は土地を選ぶところから始まり、設計の打ち合わせを複数回重ねる必要があり、入居までに多くの時間がかかります。対して建売住宅は、土地選びや設計の打ち合わせに時間をかける必要がなく、完成済みの物件であれば早くて1か月ほどで新生活をスタートできるでしょう。
急な転勤や子どもの進学など、できるだけ早めに引越しを済ませたい方には大きなメリットとなります。建売住宅は、スピード重視の方にぴったりの選択肢といえるでしょう。
建売住宅のデメリット
建売住宅はさまざまなメリットが得られますが、人によってはデメリットに感じる点もあるでしょう。ここでは、建売住宅購入のデメリットをご紹介します。
・施工会社の変更が効かない
・デザインや間取りが選べない
・工事の過程がチェックできない
施工会社の変更が効かない
建売住宅は、土地と建物がセットで販売される形態が一般的です。すでに施工会社が決定しており、購入者が希望する建設会社への変更はできません。
そのため設計や工事の進め方などに不満があっても、施工会社を選べず自由度が限られる点はデメリットといえるでしょう。自分の理想やこだわりを反映させたい方には、注文住宅が向いているかもしれません。
完成度や品質に重点を置きながら建売住宅を利用したい場合は、施工実績や評判を事前に確認しておくことが大切です。
デザインや間取りが選べない
建売住宅はすでに建築が完了しているか、あらかじめプランが決まった状態で販売されます。そのため、自分のライフスタイルに合わせて間取りやデザインを自由にカスタマイズすることはできません。
細かな要望を反映できない点に対しては、人によっては物足りなさを感じるでしょう。ただし、販売会社やハウスメーカーにより仕様やコンセプトはさまざまです。
複数の物件を比較することで、自分の好みに近いデザインや間取りの住宅を見つけられるでしょう。
工事の過程がチェックできない
すでに完成した状態で販売される建売住宅では、建築中の様子を確認する機会が注文住宅に比べて少ないのが特徴です。そのため構造部分や配管・断熱材の施工など、見えない部分に不安を感じる方もいるでしょう。
施工の質が気になる場合は、費用をかければ一級建築士などの専門家に住宅診断を依頼すれば見えない部分の品質を確認できます。
信頼できる施工かどうかを客観的な目でチェックすることが、住宅購入の安心につながるでしょう。
建売住宅で後悔しないためのポイントとは?
建売住宅を選ぶ際に意識したいのが「立地」です。
建売住宅は販売業者が用意した土地に家を建てて販売されるスタイルのため、自分の希望通りのエリアに物件があるとは限りません。間取りや設備、価格が理想的でも、通勤や通学などの利便性が悪い立地を選ぶと、住み始めてから不満が生じる可能性が考えられます。
建物は多少の不便が見られてもリフォームで改善できる場合がありますが、立地はあとから変更が利きません。購入前に周辺環境を含めた立地はしっかりと確認しておくことが大切です。
また建売住宅はすでに外観や間取り、設備などが決まっているため、自由に変更することはできません。自分の希望をすべて反映させるのには不向きなスタイルですが、優先順位を明確にして譲れない条件に合う物件を見つけることで、納得のいく選択ができるでしょう。
なお物件によっては、建物の完成前であれば壁紙や建具の色などの一部の仕様を選べる場合があります。お気に入りの建売住宅を見つけたら、早めに問い合わせてみるのもおすすめです。
まとめ
建売とは、家と土地を同時に購入できる住宅スタイルのことです。注文住宅に比べて建築費用が抑えられ早めに入居ができる点がメリットといえるでしょう。
建売住宅は、早めにマイホームを手に入れたい方やスピード感重視で住宅を購入したい方におすすめです。理想の住まい選びを迷われている方や建売住宅をご検討の方は、ぜひ兼六ホームにご相談ください。