家づくりの秘訣

壁量計算

壁量計算による耐震性の確保と建物への取り組みを知る
 


耐震性を確保する壁量計算


 
建築基準法では、2階建て以下かつ延床面積500㎡以下などの木造住宅では構造安全性を確認する仕様規定が設けられている。それが「壁量設計」にあたる。壁量計算とは地震力、風圧力に対する必要壁量を求めるもので、その計算から壁を配置し、必要壁量以上の耐力壁が釣り合いよく配置されているかを確認していく(図参照)。平成12年に制定された「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」により耐震性を判断する目安となるように3段階の耐震等級が規定された。兼六では、今年の4月から従来の建築基準法で規定されている耐震性から、耐震等級2をクリア出来るように全棟計算を行い補強を実施。耐震面で基準となる数値があがったことでより安心な住宅といえる。
 
壁量計算


耐震への兼六の取り組み


 
兼六グループ内の設計部では、阪神・淡路大震災で筋かいの施工不良で倒壊した例を受け、耐力面材であるダイライトパネルをいち早く採用。筋かい(軸材の壁)と違い、全体で地震の力を受け止めるため、負担が分散し倒壊や崩壊に強い。ダイライトパネルを扱う大手建材メーカー大建工業では、実大振動震クリアを実証している。耐震もさることながら、耐久性や耐火性にも注目。ダイライトパネルは、構造用合板よりも燃えにくく、透質性にも優れ、シロアリなどを寄せ付けない効果も。また昨年起きた東日本大震災を受け、耐震等級2をクリア出来るよう「耐震壁量」も通常値の1.25倍程度まで強化。図にあるように耐震等級2をクリアする基準とは、「極めて稀に数百年に一度起きる地震による力の1.25倍に対して倒壊・崩壊しない」ものになる。
 
耐震壁量